借地として土地活用する際の注意点

相続や投機的売買により、自己の居住以外を目的とした土地を取得される方がいらっしゃいます。その場合、もっとも合理的な土地活用の方法は第三者に賃貸するという方法です。なぜなら、この方法を採用すれば、賃料を安定して得ることができ、収入源とすることができるからです。しかし、この方法には注意点があります。それを以下説明いたします。まず、土地を第三者に宅地として賃貸する場合、借地借家法が適用されます。これにより、当事者間でどのような貸付期間を定めたとしても、貸付期間は30年以上となってしまいます(同法3条)。

そして、この規定を契約で排除することはできません(同法16条)。そのため、一旦貸付を行うと当該土地を30年間は自由に利用収益処分をすることができなくなります。そのため、当該土地の貸付をするとその後実質的にその土地についてこれ以上の土地活用ができなくなってしまうということです。また、借地上に建物が建設されると借主は第三者に対して当該賃貸借契約を対抗できてしまいます(同法10条)。したがって、当該土地が値上がり売却しようとしても、借主は土地の買主に対しても賃貸借契約の存在を対抗できてしまうので誰もその土地を買いたがりません。その結果、当該土地の価格は著しく下がってしまいます。もっとも、それは市場における価格なので公租に関するものではありません。そのため、土地所有者が支払うべき固定資産税の価格は当該土地が更地である場合となんら変わりません。そのため、当該土地を投機売買目的に土地活用することはできなくなります。また、借地借家法は賃貸借契約終了後に貸主に建物買取義務を課しています(同法13条)。そのため、借主が借地上に建物を建築し、契約終了後も当該建物を存続させていた場合、そこに建築した建物を買い取らなければなりません。

そのため、契約終了時に多大な負担を強いられることになります。さらに、借主に対して有する賃料債権を増額させる場合でも当事者間で決定することができず、裁判所の決定がなければ無効になります(同法11条)。そのため、近傍類地の価格が値上がりし、家賃を上げる機会に恵まれたとしても簡単に上げることができなくなります。このように、保有する土地を借地として土地活用する場合には、数々の注意点があります。そのため、ディベロッパーからの提案を安易に受け入れてしまうと後々後悔することになる危険があるので、慎重に検討しましょう。

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